
日本で女性の社会進出が当然となって久しく、政治家や会社役員等も女性が過半数を占めるようになり、女性を尊重する女性ファーストの風潮が当たり前の社会となった。それに伴い、女性崇拝者であり被虐性快楽嗜好者である男が急増して、大多数となった。そのため、世論を無視出来なくなった政府は20XX年に法律を改正して、普通結婚とは別に主従婚を認めるようになった。主従婚をした男女は、男は女性に仕え、その女性のために生きる事を強制させられる。
普通結婚では、夫と妻の立場は同等であるが、主従婚では妻は女主人の立場となり、夫は下僕か奴隷の身分となる。普通結婚では、夫と妻の収入・財産はそれぞれに区別されるが、主従婚では夫の収入・財産は全て妻の所有となり、夫に所有権は一切認められない。
夫は妻に絶対服従することが義務付けられ、少しでも口答えしたり、逆らったりしたら、妻から酷いお仕置きを受けることになる。命に別状が無い限り、妻は夫をいくら折檻しても、何の問題にもならない。しかし、逆に夫が妻にほんの少しでも手を上げたりしたら、直ちに逮捕・連行されて矯正施設に収容される。実際に夫が妻に暴行を加えてなくとも、夫が暴力を振るう兆候があると妻が通報するだけでも、夫は矯正施設に収容されてしまう。
矯正施設では絶対的な権限を持つ女性教官から、徹底的に女性崇拝の精神を心身共に叩き込まれる。夫が心を入れ替えて真の女性崇拝者となり、妻の元に戻しても問題無いと、女性教官が判断するまでは出所出来ない。
なお、矯正施設を出所した夫は皆、女性を前にするとひどく脅え、反射的にひれ伏して女性のつま先にキスするようになるので、当分の間は社会復帰が困難な状態となる。
離婚については、妻が申し出た場合は直ちに離婚成立となるが、夫が申し出た場合は妻の同意が無い限り、離婚出来ない。離婚した場合、財産は全て妻のものになり、未成年の子供がいる場合は親権も妻のものになる。離婚する場合、夫と妻のどちらに落ち度や責任が有るかは全く関係無く、妻は夫に慰謝料の請求が出来るが、夫は一切請求出来ない。慰謝料の額は妻が一方的に決めることが出来て、夫の支払いが滞った場合は逮捕・連行され、労役所に収容される。労役所では絶大な権力を持つ女性看守が振るう鞭の下で、夫は重労働に喘ぎ、その対価として五千円の日当が妻に届けられることになる。支払えないのを承知で、夫に慰謝料を数百億円請求する妻も珍しくなく、その場合は妻が慰謝料を放棄すると労役所に届けない限り、夫は労役所で一生重労働して苦しむことになる。ただ、その一生は、労役所の境遇があまりにも非人道的で過酷なため、非常に短いものとなる。
このように女性が圧倒的に有利な条件なので、女性は皆が主従婚を希望した。女性崇拝者であり、被虐性快楽嗜好者である大多数の男は主従婚に進んで同意したが、それでも普通結婚を希望する男は、まだ少なからず残っていた。
28歳の朝倉隆文は、婚約者の高橋麻里奈と静かな喫茶店で話し合いをしていた。隆文は大手不動産会社のマンション・アパート管理部門に所属しており、同い年の麻里奈は同じ会社の総務部に去年から勤めている派遣社員だった。麻里奈は他のOL達の中にいると、鳩の群れに孔雀が舞い降りたように見える程の、絶世の美女だった。凄い美人でナイスバディの麻里奈にアプローチする男性社員は多かったのだが、彼女は一切相手にしなかった。
しかし、麻里奈は社内の懇親パーティで、なぜか自分から隆文に近づいて、積極的に話し掛けた。そのパーティで麻里奈と初めて出会った隆文は、彼女の美貌に見とれ、一目惚れした。隆文と麻里奈は意気投合して、付き合うようになった。麻里奈は自分の美貌を鼻に掛けることなく、控え目な態度で隆文に優しく接した。そして、つい先日隆文が麻里奈にプロポーズして、彼女がOKしたのだった。
隆文はコーヒーを一口すすると、カップを置いてため息をついた。麻里奈は、引き込まれるような魅惑的な目で隆文を見つめ、
「…だから、隆文さん、安定を求める私の気持ちも理解して欲しいの。母はシングルマザーで、非正規の仕事をいくつも掛け持ちして私を育ててくれたんだけど、貧しくてずっと不安定な生活だったわ。それでも私は、奨学金とアルバイトで何とか大学に行かせてもらい、卒業したらきちんとした会社に就職して、母に親孝行しようと思っていたの…だけど、私が卒業した頃は不況でまともに就職が出来なくて、不安定な派遣の仕事を転々としてきたのよ。結局、満足に親孝行出来ないまま、母は私が大学卒業した翌年に亡くなってしまい、私は一人ぼっちになってしまったわ」
と言って、カフェラテを口にした。カフェラテのカップを持つ麻里奈の、右手甲にある小さなダイヤ型の赤いアザが、何となく隆文の目に留まった。
隆文は彫りの深い顔を少し歪めて、考え込んだ。端正な顔立ちの隆文は、身長が178cmのスマートな体型で、学生時代は寄って来る女性に不自由せず、あちらこちらに遊び回った。実家もかなり裕福であり、就職難にも関わらず親のコネで今の会社に就職出来たので、麻里奈とは正反対のお気楽な生き方をしてきた。麻里奈も身長168cmと女性にしては長身のグラマー美人で、黒曜石みたいに黒く大きな瞳が特徴的だった。
隆文は惚れている麻里奈からプロポーズのOKをもらった時は、思わずガッツポーズを取る程舞い上がったのだが、彼女から是非とも主従婚にして欲しいと言われ、困惑していたのだ。隆文自身はフェミニストのつもりではあるが、男女平等の普通結婚を望んでいたので、昼休みに会社近くの喫茶店で話し合うことにしたのだった。
隆文は、カフェラテのカップを置いた麻里奈に、
「安定を求めているなら、僕と普通結婚して専業主婦になればいいだけの事じゃないか…あまりにも女性だけに権利が偏っている主従婚じゃなくても、全く構わないと思うけど…」
と言って、説得しようとした。しかし、麻里奈は大きく魅惑的な黒い瞳で隆文をじっと見つめて、
「隆文さんの言いたい事は分かるけど…でも、もし隆文さんが将来心変わりして、私と離婚するとなったら、一人ぼっちで身寄りの無い私は路頭に迷って、途方に暮れてしまうわ。私が幼い頃に離婚した母がそうだったから…勿論、隆文さんが心変わりするなんて考えられないけど、私の心の安定のために主従婚にして欲しいのよ…どうしても、駄目なの?」
と問い掛けた。麻里奈の真剣な眼差しを見て、隆文は悩んで考え込んだ。
(普通結婚なら特に心配は要らないが、主従婚となると逆に麻里奈がもし心変わりしたら、自分は辛い目に遭わされてしまう…しかし、麻里奈の今まで歩んで来た人生からすると、安定の保証を求める彼女の気持ちも分かる…まあ、優しい麻里奈なら、自分に酷い扱いはしないだろうが…それでも、しかし…)
隆文は悩み抜いた末に、主従婚を了承することにした。
「分かったよ、麻里奈さん…僕達は主従婚にしよう」
隆文がそう言うと、麻里奈は顔をパッと輝かせ、
「嬉しいわ…ありがとう、隆文さん」
と答えて、明るく魅力的な笑顔を浮かべた。隆文は麻里奈の心底嬉しそうな笑顔を見て、主従婚に決めてよかったと思った。
それから1ヶ月後、隆文と麻里奈は新婚旅行先のグアムで、隆文の両親だけを招いた結婚式を挙げた。これは麻里奈の要望で、彼女には親しい親戚がおらず、アルバイトに明け暮れていたので学生時代の友人も殆どいなくて、派遣社員なので社内でも親しい同僚がいないという理由からだった。グアムの小さな教会での慎ましい結婚式だったが、ファッションモデルみたいな美しいウエディングドレス姿の麻里奈に、隆文と両親は大喜びだった。
新婚旅行から帰った隆文と麻里奈は、郊外の建売住宅に戻った。その家は、裕福な隆文の両親が結婚祝いにと頭金を用意してくれて、住宅ローンで購入したものだった。隆文と麻里奈の家財道具は、既に新婚旅行の前に移してあった。パスポートの関係で隆文と麻里奈はまだ入籍していなかったため、二人はスーツケースを部屋に置くと、直ぐに区役所に行って主従婚として入籍した。区役所から自宅に戻った隆文と麻里奈はリビングに入り、堅く抱き合って新婚ホヤホヤの熱いキスを交わした。
「麻里奈さん、これでやっと正式な夫婦になれたね」
「私、本当に幸せ…隆文さん、幸せにしてくれて、ありがとう」
新婚夫婦らしい会話をした二人は、新婚旅行で持って行ったそれぞれのスーツケース内の荷物を整理し始めた。
結婚を機に仕事を辞めて専業主婦となった麻里奈は、如何にも新妻らしく隆文にかいがいしく尽くした。顔はモデルか女優のように美しく、体はグラビアアイドルみたいにグラマーなナイスバディの麻里奈は、夫婦の夜の営みも素晴らしく、隆文は彼女と結婚した幸福を存分に堪能した。隆文が昼時に職場で麻里奈の作った愛妻弁当の蓋を開けると、色々と美味しそうなオカズが詰められ、ご飯の上にふりかけでハート形に描かれており、周りの同僚から冷やかされた彼は、鼻の下を伸ばして照れ笑いした。
新婚旅行から戻って四週間後、夕食を済ませリビングのソファでテレビを見てくつろいでいた隆文は、麻里奈から1枚の写真を見せられた。隆文は麻里奈から、
「ねぇ、この人は私の大学時代に同じゼミで、これは京都へ旅行に行った時の写真なんだけど…隆文さんは、誰だか分かる?高校が隆文さんと一緒だと言っていたから、ひょっとして知っている人かと思って…」
と尋ねられた。その写真には、京都の寺をバックに美しい麻里奈とひどく醜い女性が並んで写っていた。麻里奈はうりざね顔で目が大きく、鼻梁がスッと伸びて、形の良い唇をした美人だが、隣の女性はエラの張った顔で、目は小さくて窪んでおり、鼻は潰れたように低くて胡坐をかき、口元は歯並びの悪い出っ歯が目立った。
「う〜ん、何処かで見たような…」
隆文はちょっと首を捻ったが、直ぐに膝を叩き、
「そうだ、思い出した!確か高校の同級生で、同じクラスの榊原だ…でも、下の名前は憶えていないと言うか、知らないな…」
と麻里奈に答えた。麻里奈が隆文に、
「その榊原って人は高校時代、どんな人だったの?学生時代に隆文さんの話をしていたのを、ふと思い出したから、少し気になって…」
と訊ねると、
「言っておくけど、同じクラスだったと言うだけで、僕とは全然関係無いよ…榊原は酷いブスで根暗だったから、バケモノのあだ名で呼ばれて、クラスでいつも他の女子からイジメに遭っていたな…それで、僕が注意してイジメを止めさせたことが、何回かあったよ。別に助けた訳じゃなく、イジメで騒がしいと榊原がいるのを意識してしまうからね…僕はバケモノの榊原が自分と同じクラスにいると、感じたくなかったんだ。醜いバケモノと同じクラスの空気を吸うと思うだけで、気持ち悪くて生理的に耐えられなかったんだな…今でも覚えているけど、そのバケモノの榊原に卒業の時に告白されて、手編みのマフラーを渡されたのは、本当に大迷惑だったよ。さすがに『悪いけど、君をクラスメイトとしか見れない』と言って、断ったけどね。それでも無理に渡されたマフラーは、家へ帰る途中で公園にあった彫像の首に巻いておいたよ…あいにく、その彫像は日本昔ばなしの笠地蔵みたいに、お礼には来なかったけどね。ワハハハ…」
と隆文は答えて、大笑いした。麻里奈もつられて大笑いし、
「アハハハ、そうだったの…ああ、おかしい…笑い過ぎて、涙が出ちゃった」
と言って目を押さえ、写真を持ってリビングから自分の部屋に行き、寝る時間になるまで戻らなかった。
次の日から、麻里奈の態度が変わっていった。今までは家の中でも隆文の目を気にしてか、きちんとした服装をしていたのに、ラフなスウェット姿になった。そして、一人で家事をかいがいしくこなしていたのに、やたらと隆文に手伝いを言いつけるようになったのだ。最初はゴミ出しや、洗濯物の取り込みくらいだったのだが、その内に皿洗いや風呂掃除・トイレ掃除等を言いつけるようになった。
隆文は惚れた麻里奈が言う事ならと、最初は嫌がらずに言いつけられた家事をこなしていたが、
「ちょっと、お皿がまだベトついているわよ!洗い直して頂戴!」
「風呂場のタイルが、ヌルヌルしているわ。ちゃんとスポンジで擦ったの?掃除し直しね!」
「シンクに、まだ汚れが残っているわよ!やり直して!」
と彼女からキツイ声でうるさく文句を言われるようになり、さすがに気分を害した。
家事を言いつけられるようになって五日目の夕方、
「便器の黒ずみが、全然取れてないじゃないの!トイレ掃除をやり直しなさい!」
と上下薄ピンク色スウェットのラフな服装をしている麻里奈から、居丈高に文句を言われた隆文はさすがに、
「ちょっと…麻里奈さんは、専業主婦だろう…僕は外で働いて、疲れているんだから、家事は麻里奈さんでやってくれないかな」
と言い返した。すると、不意に麻里奈は、隆文の頬を強く平手打ちした。
「ヒィッ」
思わず短い悲鳴を漏らした隆文が、打たれた頬を押さえ、
「な、何をするんだ!?」
と大声を出すと、麻里奈は大きな目で彼を睨み、
「勘違いしないで!私達は普通結婚じゃなくて、主従婚なのよ。主従婚の場合、妻は女主人になり、夫は下僕か奴隷になるわ…だから、これから外で働くのは勿論、家事も全て隆文さん…いえ、お前にしてもらうからね!」
と隆文をお前呼ばわりして、言い放った。隆文はついカッとなり、
「ふざけるな!」
と言って、右手を開いて振り上げた。しかし、麻里奈は避けようともせず、逆に自分の左頬を隆文に突き出して、
「あら、私を叩くつもり?叩くなら、叩いてみなさいよ。直ぐ通報して、お前を矯正施設に収容してもらうから!」
と言って、挑発した。隆文は怒りで顔を赤くしたが、仕方なく振り上げた右手を下した。
隆文は、主従婚した職場の先輩が去年、夫婦喧嘩のはずみで奥さんの肩を強く押し、矯正施設に三週間程収容されたのを知っていた。その先輩は、学生時代はラグビー部でがっちりした体格をしており、性格も豪放磊落で、常に自信に満ち溢れた態度で仕事をしていた。
しかし、矯正施設から戻って来た先輩は、いつも何かに脅えたようにビクビクし、女性社員や女性客を前にすると直ぐにひれ伏して、靴のつま先にキスするようになった。さすがに、これでは仕事に支障をきたすと判断した会社は、その先輩を社史編集部の閑職に配置転換して、元の様子に戻るまでしばらく静養させることにした。
隆文がその先輩に、矯正施設で一体何をされたのか尋ねると、
「聞かないでくれ、思い出させないでくれ!ひと思いに殺される方が、遥かにマシだ!あそこに戻されるくらいなら、首を吊って自殺する!」
と錯乱したように喚き、両手で頭を抱えてしゃがみ込んで、ブルブルと体を震わせた。その先輩の様子を見た隆文は、彼が矯正施設で女性教官から想像を絶する虐待を受けたことが推測出来た。
矯正施設に収容されたくない隆文は、麻里奈を平手打ちするのを諦めた。しかし、麻里奈の折檻は止まらなかった。麻里奈は隆文に目が眩む程の力強い往復ビンタを張り、彼に悲鳴を漏らさせた。
「お前が私を叩かなくても、私が『夫は、私を殴ろうとしたんです』と一言通報すれば、お前は矯正施設に収容されるのよ!現にお前は、私を平手打ちしようと、手を振り上げたしね!」
麻里奈に言われた隆文は、口惜しさで歯噛みしたが、止む得ずに頭を下げ、
「すまなかった、麻里奈さん…つい、カッとなってしまって…本気じゃなかったんだ…この通り、勘弁してくれ」
と謝った。しかし、麻里奈は頭を下げている隆文の腹を蹴りつけ、彼を床に倒した。
「グホッ、ゲホッ…ま、麻里奈さん、一体何を…」

みぞおちを蹴り上げられた隆文は、床で体を丸めて咳き込み、苦しそうな声で麻里奈に問うた。麻里奈は隆文の頭を素足で踏みにじり、
「何よ、その謝り方は!全然、誠意が感じられないわ…自分が悪いと思っているのなら、ちゃんと土下座して謝りなさいよ!」
と怒鳴りつけた。妻の麻里奈から頭を踏みにじられる屈辱で、隆文は胸がズタズタに切り裂かれるような気持ちになった。それでも麻里奈が隆文の頭から足を外すと、矯正施設に収容されたくない彼はよろよろと床で土下座し、
「麻里奈さん、誠に申し訳ありませんでした…」
と絞り出すような声で謝罪した。麻里奈は、土下座している隆文の前の床をドンッと素足で踏み鳴らし、
「口の利き方が悪いわね!私のことは、“麻里奈様”か“女御主人様”とお呼び!お前は、そうねぇ…もう少し神妙な態度だったら下僕にしてあげてもよかったけど、やっぱり奴隷にするわ。だから、お前のことはこれから“男奴隷”と呼ぶからね。分かったかい!?」
と言い放った。隆文は口惜しさで、はらわたが煮えくり返るような気持ちだったが、矯正施設に収容されないためには、麻里奈の機嫌を損ねる訳にはいかなかった。隆文は土下座を続けながら、
「分かりました…麻里奈様」
と屈辱に震えた声で返事をした。土下座している隆文は、あんなにかいがいしく尽くしてくれて優しかった麻里奈が、これ程変貌するとは全く予想出来ず、普通結婚ではなく主従婚にしてしまったのを心底後悔した。
「男奴隷、顔をお上げ!」
麻里奈に言われて、上体を起こして正坐の姿勢になった隆文は、彼女から再度目から火花が散る程の強烈な往復ビンタを浴びせられ、短い悲鳴を上げた。
「ヒイィッ」
麻里奈は隆文に、
「お前は奴隷に落ちたんだから、人間様みたいに服を着ているなんて、生意気よ!服を全部脱いで、裸におなり!」
と命じて、正坐している彼の顔を足裏で押すように蹴り、床に倒した。屈辱で顔を真っ赤にした隆文は、よろよろと立ち上がり、シャツとズボンを脱ぎ、トランクス1枚の裸になり、床に正坐した。すると、麻里奈は又も隆文に力強い往復ビンタを張り、
「私は、裸になれと言ったのよ!まだ、パンツが残っているじゃないの!」
と叱りつけた。口惜しさで身震いした隆文は、下唇を噛んで再度立ち上がり、トランクスを脱いで全裸になって、両手で股間部分を隠し、また床に正坐した。麻里奈は正座している隆文の前の床を、素足でドンッと踏み鳴らし、
「男奴隷、ひれ伏して『麻里奈様、この男奴隷を今後とも、よろしくお願い致します』と挨拶して、つま先に奴隷のキスをおし!」
と命令した。隆文は屈辱で胸を掻きむしられる思いだったが、仕方なく麻里奈の足元にひれ伏して、
「ま、麻里奈様…この…男奴隷を今後とも…よろしくお願い…致します」
と震え声でつっかえながら言い、彼女の足先にキスをした。麻里奈は、素足でひれ伏している隆文の頭を踏みにじり、
「もう少し、滑らかに挨拶出来ないのかい!出来損ないの男奴隷だね、全く…イチから奴隷の躾をしなければならないようね」
と言い放って、彼を口惜しさで身震いさせた。麻里奈は隆文の頭から足を外し、
「男奴隷、顔を上げて、ちょっと待っておいで!」
と言うと、玄関から金属製の靴ベラを取って来て、床に正坐している隆文の前に立ちはだかった。
「男奴隷、そこで四つん這いにおなり!」
麻里奈はそう命じて、隆文を四つん這いにさせると、彼の後ろ側に回った。妻の麻里奈から全裸にされ、四つん這いの惨めな格好をさせられた隆文は、男の自尊心がどんどん崩壊していくのを感じた。麻里奈は金属製靴ベラを空中で鋭く振り、風を切る音を隆文に聞かせて、
「お前は男奴隷のくせに、女御主人様である私に生意気な口を利いたのよ…今からそのお仕置きとして、お前の尻を5回打つわ。絶対に姿勢を崩すんじゃないわよ。その四つん這いの姿勢を崩したら、また追加で5回打つからね!」
と隆文に言い放った。
(夫である自分が妻の麻里奈から、子供のお仕置きみたいに尻を叩かれるなんて…)
隆文がまだ心の準備が出来ない内に、
「ほら、1回目!」
と麻里奈は言って、彼の尻を金属製靴ベラで思い切り打った。ビシッと大きな音がして、予想を遥かに超えた痛みを感じた隆文は、
「ギャアァッ」
と悲鳴を上げて両手で尻を押さえ、床にうつ伏してしまった。靴ベラで叩かれるのがこれ程痛いものとは、隆文には想像もつかなかった。麻里奈はうつ伏した隆文の頭を足蹴にし、
「四つん這いの姿勢を崩すなって、言ったでしょう!たったの1回で姿勢を崩すなんて、お前は私を馬鹿にしているの!?さっさと四つん這いにおなり!」
と怒鳴った。隆文は尻の痛みと、妻の麻里奈から頭を蹴られる屈辱に苛まれながら、よろよろと四つん這いになった。麻里奈は靴ベラをしごきながら、
「姿勢を崩したから、数え直しね…四つん這いの姿勢を崩したら、何回でも尻を打たれるわよ!」
と隆文に注意した。靴ベラを振り上げた麻里奈は、
「じゃあ、いくわよ…1回目!」
と言って、四つん這いになっている隆文の尻を力強く打ち据えた。ビシッと部屋に音が響き、先程より強い痛みを感じて、
「グムゥッ」
と呻き声を漏らした隆文であったが、歯を食いしばって体を硬直させ、何とか四つん這いの姿勢を保った。麻里奈は、
「そうそう、その調子で耐えれば、5回なんて直ぐ終わるわよ…ほーら、2回目!」
と隆文に指導するように言うと、靴ベラでまたも彼の尻を強打した。尻肉が切り裂かれそうな激痛で、体を硬直させた隆文は手足が痙攣しそうになったが、それでも辛うじて四つん這いの姿勢を崩さなかった。そんな調子で、麻里奈から最後の5回目の強打を受けた隆文は、激痛で目から涙がこぼれ、尻が真っ赤に腫れ上がり、体が引きつるくらいに強張ってしまった。
四つん這いになっている隆文の背中を、麻里奈は靴ベラでペチペチと叩きながら、
「男奴隷、お仕置きはこれ位にしておいてあげるけど、今後私に生意気な口を利いたら、こんなものじゃ済まさないからね…分かったかい!?」
と言い放った。隆文は床に涙をこぼし、
「は、はい、分かりました…麻里奈様」
と震え声で返事をした。尻の酷い痛みで、隆文は口惜しさや屈辱を感じる余裕すら無くしていた。不意に麻里奈は、四つん這いになっている隆文の背中を、靴ベラで強く打ち据えた。
「ギャアァッ」
背中に強い痛みを感じて、悲鳴を上げた隆文に、
「男奴隷、いつまでもぼうっとしてないで、トイレ掃除のやり直しをおし!」
と些か理不尽な命令をした。隆文は痛みで強張った体を無理に動かし、立ち上がった。すると麻里奈は、隆文の体を靴ベラで横殴りに思い切り打った。
「グワァーッ」
体を切られたような激痛に絶叫を上げた隆文は、その場にしゃがみ込んだ。麻里奈はしゃがんだ隆文に、
「男奴隷のくせに、人間様みたいに二本足で立つんじゃないわよ!お前は男奴隷なんだから、家じゃいつも服を着ずに真っ裸になって、四つん這いで動きなさい!まあ、家事や雑用をする際は、私の許可を得れば立ってもいいけどね」
と傲慢な口調で言いつけた。全裸の隆文は、痛みと屈辱で涙をこぼしながらも、四つん這いでトイレに向かった。這って行く隆文の後を、麻里奈は靴ベラを持ってついて行った。
トイレの洋式便器前に着いた隆文は、麻里奈の方に顔を向け、
「あの、麻里奈様…立ってもよろしいでしょうか?」
とお伺いを立てた。麻里奈は冷笑を浮かべ、
「まあ、いいわよ…立って、さっさとトイレ掃除をおし!」
と答えた。隆文はよろよろと立ち上がり、トイレブラシとトイレ用洗剤を手にして、洋式便器を掃除し始めた。隆文はトイレ用洗剤を付けたトイレブラシで便器を必死に擦り続け、何とか便器の黒ずみを取り除いた。水を流して、トイレ掃除を済ませた隆文が、
「あの、麻里奈様…トイレ掃除が終わりました…」
と少し震えた声で麻里奈に報告すると、後ろで監視していた彼女は洋式便器を覗き込み、
「ふ〜ん、見かけは、きれいになっているようね…じゃあ、舐めてみて」
と軽く言い放った。隆文が動揺して目を剥き、
「えっ?いくら何でも、それは…」
と思わず言い返すと、麻里奈は靴ベラで彼の赤く腫れている尻を、強く打ち据えた。
「ギャアァーッ」
腫れて痛んでいる尻を、更に靴ベラで打たれた隆文は悲鳴を上げ、両手で尻を押さえてしゃがみ込んだ。麻里奈はしゃがんだ隆文を床に蹴り転がして、
「何を嫌がっているのよ、お前は!手を抜かずに、お前が本当にきれいに掃除したのなら、舐められる筈よ!舐められないってことは、手を抜いたってことよね!」
と怒鳴りつけた。隆文は慌てて上体を起こし、
「い、いえ、手を抜いたりしていません…舐めます、今舐めますから…」
と言って、洋式便器を抱くようにして顔を突っ込んだ。さすがに隆文は少し躊躇ったが、麻里奈の目を意識し、思い切って舌を伸ばして便器を舐めた。掃除したばかりなので、舌には何の味も感じなかったが、それでも便器を舐めさせられる屈辱が、隆文の心を酷く苛んだ。
麻里奈はフンッと鼻を鳴らし、
「最初から、素直に舐めればいいものを…」
と独り言のように言うと、便器を舐めている隆文の頭を踏みつけ、水洗の水を勢いよく流した。隆文の鼻と口に水が入り込み、咽せそうになった彼は頭を上げようとしたが、麻里奈の足がしっかりと押さえているので、上げられなかった。
麻里奈が隆文の頭から足を外すと、彼は頭を上げて、
「ゴホッ、ゴホッ、ゲホッ…」
と激しく咽せ込み、苦しんだ。麻里奈は隆文に、

「本当に見苦しい男奴隷だね…そこのタオルで、さっさと顔をお拭き!」
と命じて、彼にトイレの手拭きタオルで顔を拭わせた。それから麻里奈は、
「男奴隷、そこに正坐おし!」
と隆文に命じて、彼をトイレの床に正坐させた。麻里奈はトイレのスリッパを手にすると、それで正坐している隆文の頬を叩いた。パシーンと軽快な音がトイレに響き、
「ヒイィッ」
と隆文は悲鳴を上げ、打たれた頬を押さえてうつむいた。スリッパで叩かれるのは、平手で叩かれるのよりも遥かに痛かった。麻里奈は隆文に、
「男奴隷、手は膝にやって、顔を上にお向け!」
と命令した。痛みと屈辱で身震いした隆文が、命令通りに顔を上向かせると、麻里奈は逆の頬をスリッパで叩いた。悲鳴を上げた隆文が、思わず打たれた頬に手をやってうつむくと、麻里奈は彼を蹴り倒し、
「男奴隷、勝手に動くんじゃないわよ!手を膝にやって、顔を上に向けるように言ったでしょう!」
と叱りつけた。隆文がよろよろと正坐し直し、命令通りに両手を膝にやって顔を上向かせると、麻里奈はスリッパで往復ビンタするみたいに、彼の両頬を強く叩いた。
「ヒィッ、ヒイィッ」
隆文の両頬は、見る見る赤く腫れあがった。麻里奈はスリッパを放り、
「男奴隷、今回はこれ位にしておいてあげるけど、これからは私の言う事に少しでも躊躇ったり、逆らったりしたら、こんなものじゃ済まさないからね!ボヤボヤしてないで、さっさと掃除道具を片付けなさい!」
と言い放って、リビングに向かった。
(男の顔を、トイレのスリッパで叩くなんて…あまりにも酷い)
トイレに残された隆文は、夫である自分が妻の麻里奈に凌辱される口惜しさと惨めさにすすり泣きながら、ノロノロとトイレの掃除道具を片付けた。赤く腫れた両頬と尻に残る痛みが、隆文の口惜しさと惨めさを増幅させていた。
全裸の隆文が四つん這いでリビングに戻ると、ソファに座ってテレビを見ていた麻里奈は、
「男奴隷、洗濯はしたの?」
と問い掛けた。隆文がきょとんとして、
「いいえ…洗濯はしていません」
と答えると、麻里奈はソファから立ち上がり、四つん這いになっている彼を蹴り転がした。
「全然気が利かない男奴隷だね!女御主人様の私がいちいち言わなくても、自分が出来る家事は無いか探して、自分からしなさい!」
麻里奈から理不尽な叱責を受けた隆文は、口惜しさで下唇を噛んだが、黙って洗濯機を置いてある洗面所に這って行った。隆文の後をついて行く麻里奈は、手にしている靴ベラの先で彼の股間にぶら下がっているものをつつきながら、
「男が裸で四つん這いになっているのを後ろから見ると、この醜いモノがどうしても目に入るのよね…本当に見苦しいわ」
と嘲り、彼を屈辱で身震いさせて顔を赤くさせた。
洗面所に着くと、麻里奈は洗濯籠から汚れたパンティ数枚を選り分け、他の洗濯物は隆文に洗濯機で普通に洗濯させた。隆文が洗濯機のスイッチを入れると、麻里奈は彼に洗濯洗剤を持たせ、目の前の浴室に移動させた。麻里奈は隆文を浴室の床に正坐させると、彼の前にお湯を張った洗面器を置き、床に数枚の汚れたパンティを放った。
「男奴隷、私のパンティは、丁寧に手洗いするんだよ…但し、汚れた部分をよく嗅いで、女御主人様である私の臭いを覚え、よくしゃぶって汚れを薄くしてから、手洗いおし!」
麻里奈の酷い命令を受けた隆文は、浴室の床に放られたパンティの1枚を、震える手で拾い上げた。隆文がそのパンティを裏返すと、クロッチ部分には黄色い染みと茶色い筋があり、鼻と少し離れていても臭いがした。
(夫が妻の汚れたパンティの臭いを嗅がされて、しゃぶらされるなんて…あまりにも惨め過ぎる)
パンティを手にしている隆文が少し躊躇っていると、麻里奈は靴ベラで彼の背中を強く打ち据えた。ビシッという音が浴室に響き、隆文の口から、
「ギャアァッ」
と悲鳴が上がった。麻里奈は隆文に、
「何を躊躇しているのよ!さっき、少しでも躊躇ったり逆らったりしたら、こんなものじゃ済まさないと言ったばかりでしょう!もう忘れたのかい、馬鹿奴隷!」
と怒鳴って、靴ベラを振り上げた。隆文は慌てて、
「麻里奈様、お許し下さい、直ぐに臭いを嗅ぎます、しゃぶります」
と麻里奈に言って、パンティの汚れたクロッチ部分を自分の鼻に押し付け、吸い込んだ。その途端、饐えたような強い臭気が鼻孔の奥まで届き、脳髄が痺れたように錯覚した。麻里奈は振り上げた靴ベラを下し、
「全く、奴隷の躾には、鞭が必要だわ。早く届かないかしら…」
と隆文に聞こえない小声で呟いた。
隆文が耐え難い屈辱に苛まれながら、麻里奈の汚れたパンティを嗅いでいると、彼の体に変化が起こった。隆文の股間のものが、硬く屹立したのだ。饐えたような女の強い臭いを嗅いだ隆文は、男の性で不覚にも勃起してしまったようだった。それを見た麻里奈は、
「あら、お前は妻の汚れたパンティの臭いを嗅いで、興奮しているの?本当に変態なんだね、お前は!お前みたいな最低の変態が私の夫だなんて、自分が情けなくなるわよ!」
と隆文を酷く罵倒した。隆文は恥辱で体を震わせて顔を真っ赤にしたが、股間のものは治まらずに硬く屹立したままだった。麻里奈は隆文に、
「臭いを嗅ぐだけじゃなく、しゃぶって汚れを薄くしなさい!」
と命じた。隆文は鼻に当てていた汚れたパンティを、口元に移動させた。隆文がパンティの汚れたクロッチ部分に舌を這わすと、強い臭気を伴う苦味と酸味が混じったような味がした。泣きそうな顔になった隆文が、汚れたクロッチ部分を必死に舐めていると、
「男奴隷、舐めるだけじゃなく、口に咥えて咬むようにしゃぶりなさい!」
と麻里奈から指示された。隆文は一瞬躊躇ったが、麻里奈から靴ベラで打たれるのを恐れ、直ぐに汚れたクロッチ部分を口に咥えた。言われた通りに咬むようにしてしゃぶると、鼻孔に饐えたような臭気が充満し、口内には苦味と酸味が混じった生臭い味が拡がった。隆文は吐き気を堪えて身震いしたが、傍目には汚れたパンティをしゃぶって、喜びに打ち震えているようにも見えた。実際、隆文の股間のものは、硬い屹立を保っていた。

「お前は、本当に女の汚れたパンティが好きなんだね…それなら、特別サービスをしてあげるわよ」
麻里奈はそう言って、浴室の床のパンティを1枚拾い、隆文の顔にマスクみたいに被せ、クロッチ部分が彼の鼻に当たるよう調節した。パンティを咥えてしゃぶっている隆文の鼻孔に、饐えたような強い女の臭いが流れ込み、彼は頭がクラクラした。
「これなら、汚れたパンティを味わいながら、同時に臭いも嗅げるわよ…変態のお前には、凄く嬉しいでしょう」
麻里奈から嘲られた隆文は、屈辱で胸が張り裂けそうだった。しかし、股間の屹立しているものの硬度は、確かに増していた。麻里奈は、隆文に追い打ちを掛けた。
「お前のものは、はち切れそうに硬くなっているわね…見ていて上げるから、私の汚れたパンティをしゃぶりながら、オナニーしてご覧。遠慮は要らないわよ」
隆文の顔が青ざめたが、これ以上麻里奈から靴ベラで打たれないためには、オナニーするしかなかった。隆文は右手で硬く屹立した物を掴むと、ゆっくりしごき始めた。麻里奈は、
「ウフフ、男のオナニーは包皮が前後に動いて、滑稽でグロテスクね…それに、妻の目の前でオナニーする夫なんて、世間ではお前ぐらいじゃないの?」
と隆文を蔑み、彼の青ざめた顔を恥辱で赤くさせた。
しかし、汚れたパンティの臭いと味を同時に感じて、麻里奈の蔑んだ視線を意識した隆文は、異様な興奮状態に追い込まれていた。汚れたクロッチ部分を熱心にしゃぶり、顔に被せられた汚れたパンティの臭いを深く吸い込みながら、硬く屹立したものをしごく手の動きが段々と速くなった。そして、
「アァーッ、イクゥ…」
と隆文は喚いて、極限まで硬く怒張したものから、夥しい白濁液を噴出してしまった。
麻里奈の目の前で射精してしまった隆文は、全身の力が抜けて、ガックリとうなだれた。麻里奈はシャワーを使って、浴室の床に飛び散った精液を洗い流し、隆文の口からパンティを引き抜いた。パンティのクロッチ部分を目視した麻里奈は、
「まあ、汚れは大分薄くなったわね」
と言って、お湯を張った洗面器の中にそのパンティを放った。それから、隆文の顔に被せていたパンティを剥ぎ取ると、裏返しにして彼の口に突っ込んだ。麻里奈は隆文に、
「次は、このパンティをしゃぶって、汚れを薄くしなさい」
と命じて、浴室の床に放った別のパンティを1枚拾い、先程と同じくクロッチ部分が彼の鼻に当たるよう顔に被せた。
「男奴隷、こうやってパンティを順番に顔に被って臭いを嗅いでから、しゃぶって汚れを薄くしなさい。汚れが薄くなったパンティは、心を込めて丁寧に手洗いするのよ。ちゃんと洗ってきれいにしたか、後で点検するからね」
麻里奈はそう言うと、浴室を出て行った。浴室に残された隆文は、顔に被せられたパンティの臭いを嗅ぎつつ、汚れたクロッチ部分をしゃぶりながら、洗濯洗剤を使って洗面器に入れられたパンティを手洗いし始めた。麻里奈のパンティを手洗いしている隆文の目からは、いつの間にか涙が流れていた。
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