洗面器に入れられた残飯の夕食後、洗顔と歯磨きを済ませ、流れ作業みたいなシャワーを浴び、就寝前の目視点検が終了して、直樹は独房に入った。直樹は、金属製ボックスの強化アクリル板の蓋を開けるのが本当に嫌だったが、この中以外で寝ることは当然厳禁だった。直樹は渋々金属製ボックスに入り、頭を廊下側に向けて横たわった。その途端、カシャンカシャンと音を立てて手枷と足枷が嵌められ、樹脂製パイプが伸びて陰茎に嵌り、金属製キャップが頭に嵌められ、電気ショックを感じて意識を失った
首輪だけで全裸の直樹が気が付くと、そこはマゾ強制収容所の体育館ではなく、一般家庭の家屋だった。玄関で倒れていた直樹は、少し痛む頭に手をやり、上体を起こして周囲を見回した。結構広い一軒家みたいで、玄関から続く廊下も割と長かった。
(ここは、一体どこなんだ?バーチャル空間なのは、間違いないだろうが…)
直樹が疑問に思っていると、不意に40代の綺麗な女性が現れた。黒色の髪をアップでまとめている彼女は、上下水色スエットのラフな格好をしてスリッパを履き、乗馬鞭を持っていた。その女性は、玄関に座っている直樹をいきなり乗馬鞭で打った。
「アヒィッ」
肩口に焼き付くような痛みを感じた直樹は、悲鳴を上げた。その女性は、スリッパを履いた足で直樹の顔を蹴り、
「マゾ奴隷、何をサボっているのよ!言いつけておいたトイレ掃除は済んだのかい!?」
と大声を出した。この女性には逆らえないと直感で分かった直樹は、直ぐに土下座して詫びた。
「申し訳ありません、奥さん…直ちに取り掛かります」
その40代の綺麗な女性は、スリッパの足で土下座している直樹の頭を踏みにじり、
「まだ、やってなかったのかい、この馬鹿マゾ奴隷!それと、人間様みたいに私を“奥さん”と呼ぶんじゃないわよ!マゾ奴隷らしく“奥様”か“綾子様”とお呼び!」
と叱った。直樹は、バーチャル綾子のスリッパ裏から、
「申し訳ございません、お許し下さいませ、綾子様…」
と重ねて詫びた。バーチャル綾子は直樹の頭からスリッパを履いた足を外すと、彼の背中に乗馬鞭を振り下ろした。
「ギャアッ」
真っ赤に焼けた火箸で叩かれたような痛みで、直樹は悲鳴を上げて背を仰け反らせた。
「ご託はいいから、さっさとトイレ掃除に取り掛かりなさい!」
バーチャル綾子は廊下横にあるトイレのドアを指差して、直樹に指示した。
「は、はい、ただ今…」
直樹は急いでトイレのドアを開け、洋式便器の蓋を開け、傍にあったトイレブラシとトイレ用洗剤を使って、掃除を開始した。しばらくトイレ掃除をしていなかったのか、便器には水垢がついており、大便の汚れが乾燥してこびりついていた。直樹は一生懸命トイレブラシを動かし、便器の汚れを殆ど落としてきれいにした。
直樹はトイレを出て、廊下で待っているバーチャル綾子の足元にひれ伏し、
「綾子様、トイレ掃除を終了致しました」
と報告した。バーチャル綾子は、
「マゾ奴隷、顔をお上げ…一緒に確認してみましょうか」
と直樹に言って、2人で洋式便器を覗き込んだ。汚れは殆ど落ちていたのだが、いくらトイレブラシで擦っても取れなかった大便の茶色い染みがほんの少し残っていた。バーチャル綾子は、その茶色い染みを乗馬鞭の先で示して、
「マゾ奴隷、これは何よ?汚れが取れてないじゃないの!手を抜くんじゃないわよ!」
と叱って、直樹の背中を乗馬鞭で打ち据えた。
「アギャアッ」
背中に切りつけられた様な痛みを感じた直樹は、悲鳴を上げた後、直ぐにその場で土下座した。
「申し訳ございません、直ちにやり直します」
バーチャル綾子は、土下座している直樹の頭を、スリッパを履いた足で蹴りつけ、
「さっさとおし、マゾ奴隷!言っとくけど、トイレブラシを使うんじゃなく、お前の舌で汚れを舐め取るんだよ!」
と酷い命令を下した。立ち上がった直樹は、洋式便器に顔を突っ込んだが、なかなか便器の汚れを舐める踏ん切りがつかなかった。
「ボヤボヤしてないで、さっさとおし!」
バーチャル綾子に叱られて、乗馬鞭で尻を打たれた直樹は、悲鳴を上げてから思い切って舌を伸ばし、便器の茶色い染みを舐め始めた。トイレ洗剤を使ってトイレブラシで散々擦ったので、臭いと味がしなかったのが、唯一の救いだった。しかし、女性に強制されて便器を舐めさせられるのはかなりの屈辱で、マゾヒストの直樹でも応えた。それに、トイレブラシとトイレ洗剤を使っても取れなかった染みが、直樹が舐めた位で取れる筈は無かった。それでもバーチャル綾子の目を気にした直樹は、延々と舌を動かして舐め続けた。
いつまでも舐めている直樹に苛立ったバーチャル綾子は、彼の頭を踏みつけて顔面を洋式便器に深く突っ込み、水洗レバーを捻った。直樹の顔面が水洗の激しい水流で洗われ、鼻と口に水が入り、ゲホゲホと激しく咳き込んだ。直樹の頭から足を外したバーチャル綾子は、
「キリが無いから、トイレ掃除はそれ位にして、床の雑巾がけでもしなさい!」
と言い残して、別の部屋に移動した。
トイレ隣の洗面所のタオルで顔を拭いた直樹は、ポリバケツに水を入れて雑巾を絞り、這って廊下の拭き掃除を始めた。すると、玄関ドアが開き、
「ただいま〜」
と女の子の明るい声が聞こえた。直樹が玄関の方に顔を向けると、ランドセルを背負った小学5年生位の可愛い女の子が靴を脱いでいた。女の子と目が合った直樹は、
「お嬢さん、お帰りなさい」
と挨拶して、拭き掃除を続けた。すると、女の子はツカツカと直樹に近づき、いきなり彼の顔を蹴った。
「グワァッ」
女の子の踵で不意に頬を蹴られた直樹は、呻き声を上げて廊下に転がった。女の子は床に倒れた直樹の顔を、ソックスを穿いた小さな足で踏みにじり、
「マゾ奴隷、何よ、その口の利き方は!ちゃんと“希美お嬢様、お帰りなさいませ”と言いなさいよ!お前は、あたしがまだ小学生だと思って、馬鹿にしているの?」
と叱りつけた。直樹はバーチャル希美の足裏から、
「も、申し訳ございません…どうかお許し下さいませ、希美お嬢様…」
と苦しそうな声で謝罪した。バーチャル希美は、直樹の顔からソックスの足を外すと、
「マゾ奴隷、正坐して、顔を上に向けて、口を開けなさいよ!」
と命令した。直樹がよろよろと正坐し、上向いて口を開けると、バーチャル希美は、彼の開いた口にペッと唾を吐き入れた。バーチャル希美のヌルリとした唾を味わされた直樹は、女子小学生の人間痰壺にされる屈辱に身震いした。しかし、その屈辱が直樹のマゾ性癖を刺激し、股間のものが直ぐに硬く屹立してしまった。
直樹の股間に視線を向けたバーチャル希美は、
「マゾ奴隷は本当にいやらしいわね、勝手にオチンチンを大きくして…こんなもの、こうしてやる!」
と言って、硬く屹立したものをソックスの足で踏みつけた。
「ああっ、希美お嬢様、どうかお許し下さいませ…後生ですから…」
股間のものが折られそうな痛みに、直樹は小学生の女の子へ惨めに許しを請うた。しかし、バーチャル希美は、
「ふんっ、それならお前がオチンチンを小さくすればいいでしょう!」
と直樹に言い放ち、ソックスの足で彼の屹立しているものをグリグリと踏みにじった。直樹は顔を苦しそうに歪めて呻き声を漏らし、バーチャル希美は彼の苦しむ姿を楽しんだ。
バーチャル希美は、ソックスの足を直樹の硬くなっているものから外すと、正坐している彼の顔に思い切り往復ビンタを張り、
「マゾ奴隷、ママから掃除するように言われてるんでしょう?さっさと掃除しなさいよ!」
と言い捨て、自分の部屋に向かって行った。
廊下に残された直樹は、まだ女子小学生のバーチャル希美に自分のものを踏みにじられ、往復ビンタを張られた屈辱で、目に涙を浮かべた。しかし、その屈辱で直樹のマゾ性癖が刺激されたのか、股間で硬く屹立しているものは、萎える気配が無かった。
直樹が気を取り直し、雑巾を手にして廊下を拭こうとすると、
「マゾ奴隷、こっちにおいで!」
とリビングのバーチャル綾子から大声で呼ばれた。直樹は雑巾をポリバケツに入れると、急いでリビングに行き、ソファに座っているバーチャル綾子の足元に正坐した。
「綾子様、何か御用でしょうか?」
テレビの韓流ドラマを見ていた綾子は、
「お義母さんがお前を呼んでいたから、直ぐ行って」
と素っ気無く言って、顎で隣の部屋を示した。直樹が隣部屋のドアをノックすると、
「早くお入り!」
と中からしゃがれた声で返事をされた。直樹が、
「失礼します」
と言ってドアを開けると、白髪で入院用の浴衣を来た70歳半ばの痩せた老婆が、部屋中央の介護ベッドで横になっていた。直樹は介護ベッドの傍に行って正坐し、
「あの…何か御用でしょうか?」
と恐る恐る用件を訊いた。すると老婆は起き上がり、介護ベッドに腰掛けると、正坐している直樹に力強い往復ビンタを浴びせた。
「ヒイィッ」
70歳半ばの老婆からとは思えない、目が眩む程の強烈な往復ビンタの痛みに、直樹は思わず悲鳴を上げた。その老婆は、
「一体お前は、いつになったらマゾ奴隷の言葉遣いを覚えるんだい!こういう時は“昌代様、御用件をお伺いしてもよろしいでしょうか?”と言うもんだよ!それに大体、用があるからお前を呼んだのに、それも分からないの、この馬鹿マゾ奴隷!」
としゃがれた声で叱りつけた。直樹は直ぐに土下座し、
「誠に申し訳ございません。以後注意致しますので、何とぞお許し下さいませ、昌代様…」
とバーチャル昌代に謝罪した。バーチャル昌代は、
「もういいから、顔をお上げ!」
と苛立たしそうに言って、直樹を正坐の姿勢に戻した。介護ベッドに腰掛けているバーチャル昌代は、正坐している直樹の前で、入院用浴衣の前をはだけた。バーチャル昌代は下着を着けておらず、シワだらけの肌に生えている白い陰毛が直樹の目に飛び込み、彼は息を呑んだ。
両手で直樹の髪を掴んだバーチャル昌代は、
「もう漏れそうだから、早く人間尿瓶におなり!」
と言って、直樹の頭を引き寄せ、彼の口元を自分の陰部に宛がった。
「マゾ奴隷、口をお開き!」
バーチャル昌代に命じられた直樹が口を開いた途端、彼の口に濃い尿が注ぎ込まれた。直樹は目を白黒させながら、次々の湧き出て来るバーチャル昌代の尿を飲み続けた。若い女性の尿とは違い、アンモニア臭が特に強く、臭い苦みがしたような気がした。バーチャル昌代の尿は、直樹の胃に重く溜まっていった。
バーチャル昌代が排尿を終えると、白い陰毛に鼻を埋めている直樹は、舌を伸ばして尿で濡れている陰部を舐め始めた。バーチャル昌代の陰部は老婆特有の、腐った魚以上に強烈な悪臭を放っているのに、直樹は改めて気が付いた。その悪臭の元は、バーチャル昌代の黄土色の陰唇襞にびっしり付着している白い恥垢だった。直樹がその白い恥垢を舐め取ると、舌にねっとりした不快な感触と、酸味と苦味が混じったようなえぐみを感じ、口中と鼻孔にはドロドロに腐敗し切ったチーズのような強烈な臭気が充満した。バーチャル昌代は、吐き気を堪えながら舌を動かしている直樹の頭を撫でて、
「ウフフ、いくつになっても、若い男の舌は気持ちいいもんだね…マゾ奴隷、もっと舌をお使い!」
と命じた。いい加減、昌代の陰部に舌を這わせ、陰唇に溜まっていた臭く白い恥垢を舐め取った直樹は、唇で陰唇に残っていた尿を吸い取り、後始末の仕上げとした。
直樹が陰部から顔を離すと、はだけた入院用浴衣を直したバーチャル昌代は、
「おやおや、人間尿瓶にされたお前は、おしっこを飲まされて興奮しているのかい?本物の変態マゾなんだね」
と呆れたように言って、直樹の股間を指差した。直樹はバーチャル昌代に指摘され、自分が勃起しているのに気が付いた。
(ああっ、僕は女性におしっこを飲まされ、凄く臭い恥垢を舐め取って興奮し、勃起するようになってしまったのか…)
ショックを受けた直樹がうなだれると、バーチャル昌代は彼に追い打ちを掛けた。
「若いマゾ奴隷は、元気だねぇ…せっかくだから、ここでオナニーしてご覧よ。退屈しのぎに、見ててあげるからさ…マゾ奴隷、早くおし!」
バーチャル昌代にオナニーするよう命じられた直樹は、一瞬躊躇ったが彼女に逆らえないと感じて、右手で自分の硬く屹立しているものを握り、ゆっくりしごき始めた。
正坐している直樹がオナニーをし始めると、乗馬鞭を持ったバーチャル綾子とバーチャル希美が部屋に入って来た。バーチャル綾子は、直樹がオナニーしているのを見て、
「マゾ奴隷、一体何をしているのよ!」
と大声を出し、乗馬鞭を振り上げた。しかし、バーチャル昌代が手を伸ばして止め、
「綾子さん、待って…私がマゾ奴隷にオナニーをさせて、見物しているのよ。何しろ、寝てばかりで退屈だからね…」
と説明してくれたので、バーチャル綾子は、
「そうだったんですか、お義母さん…」
と言って、振り上げた乗馬鞭を下した。傍らのバーチャル希美に顔を向けたバーチャル綾子は、
「希美は、まだ着替えてなかったわね…ちょっと、ショーツを脱いで」
と娘に言った。バーチャル希美は、
「えっ、ママ、何で?」
と言いながらも、スカートを捲って白いショーツを脱ぎ、バーチャル綾子に手渡した。バーチャル綾子は、その白いショーツを裏返すと正坐してオナニーを続けている直樹の顔に被せ、黄色い染みが付いているクロッチ部分が鼻に当たるように調節した。
「ただオナニーするだけじゃ味気ないでしょうから、希美の臭いを嗅ぎながらしなさい」
バーチャル綾子から嘲るように言われた直樹は、あまりの屈辱に顔を赤らめたが、女子小学生の臭いを嗅がされ、しごいているものの硬度が増してしまった。
「オホホ、面白いわ。孫娘のショーツを被ってオナニーするなんて、如何にもマゾ奴隷らしいわね」
バーチャル昌代の蔑みが、直樹の胸を深く抉った。それでも、傷ついた直樹がオナニーを続けていると、急にバーチャル綾子が彼の前に立ちはだかって、彼の顔から白いショーツを取り除いた。バーチャル綾子は正坐している直樹の前で、何の恥ずかし気も無く水色スエット下衣とベージュ色パンティを脱ぎ捨て、下半身裸になった。バーチャル綾子は直樹に、
「小学生の娘の臭いじゃ物足りないでしょうから、大人の私の臭いを嗅がせてあげるわ」
と言って、正坐している彼の鼻と口に自分の陰部を密着させた。バーチャル綾子の濃い陰毛に鼻を埋め、陰部の饐えたようなキツイ臭いを嗅がされた直樹は、脳髄が痺れたように感じ、自分の硬さを増したものをしごく手の動きが、知らず速くなっていった。バーチャル綾子は直樹を見下し、
「マゾ奴隷、臭いを嗅ぐだけじゃ、つまらないでしょう。特別に舐めさせてあげるから、舌をよく動かしなさい!」
と命令した。直樹はバーチャル綾子の陰唇に舌を這わせながら、オナニーを続けた。それを見ていたバーチャル昌代は、
「まあ、息子の単身赴任が長いから、綾子さんも体が寂しいわよね…」
と呟いた。直樹のオナニーを見つめているバーチャル希美は、
「へえ、男のオナニーって、皮が前後に動くんだ…キモッ!」
と小学生らしい感想を述べ、彼の顔を恥辱で赤くさせた。
直樹は、マゾ強制収容所所長の堂島京子への舌奉仕を思い出し、バーチャル綾子の陰唇を舌で舐め回してから、肥大してきたクリトリスを唇で挟んで吸いながら、舌先でつついて舐めた。直樹の懸命な舌奉仕の甲斐があって、バーチャル綾子は割と早く絶頂に達し、喘ぎ声を上げて背を仰け反らせた。それと同時に、直樹の極限まで怒張したものから、夥しい白濁液が噴出した。
しばらく、自分の陰部を直樹の口元に押し当てて余韻を楽しんでいたバーチャル綾子は、
「マゾ奴隷、口をお開け…私を喜ばせたご褒美に、おしっこを飲ませてあげるわ」
と言って、彼に口を開かせた。直樹の開いた口に、改めて自分の陰部を密着させたバーチャル綾子は、直ぐに排尿を始めた。バーチャル昌代に負けず劣らずアンモニア臭の強い尿が、直樹の喉を焼いて胃に溜まって行った。
バーチャル綾子が排尿を終えると、直樹は直ぐに舌を伸ばして尿で濡れた陰部を舐めて、後始末した。バーチャル綾子が直樹から離れると、バーチャル希美が、
「ママ、あたしも、おしっこしたい!」
と言い出した。バーチャル綾子は、
「仕方ないわね…マゾ奴隷、床へ仰向けにおなり!」
と直樹に命じて、彼を床で仰向きに横たわらせた。仰向いている直樹の顔に跨ったバーチャル希美は、スカートを捲ってしゃがみ込んだ。既に白いショーツを脱いでいたので、スベスベとした陰部が降りて来るのが、直樹にはよく見えた。直樹が口を開くと、直ぐにバーチャル希美のスベスベした陰部から黄色い奔流が噴き出た。直樹はこぼさないようにと、必死で噴き出る尿を飲み続けた。まだ小学生であっても、アンモニア臭の強さは大人と変わらなかった。直樹はバーチャル希美の尿を飲みながら、
(これで祖母、母、娘と、三代の女性から便器にされて、おしっこを飲まされたのか…)
と思い、自分が凄く惨めになった。
バーチャル希美が排尿を終え、直樹が首をもたげてスベスベした陰部を舐めて後始末すると、
「キャハハッ、くすぐったーい」
と彼女の口から、はしゃぐような声が出た。
バーチャル希美が直樹から離れると、バーチャル綾子は床を乗馬鞭で叩いて鞭音を響かせ、
「マゾ奴隷、お前の精液で床が汚れているわよ!舐め取って、きれいにおし!」
と命令した。仰向きになっていた直樹はよろよろと四つん這いになり、床に飛び散っている自分の精液を舐め取り始めた。精液の生臭い味と、床の埃のざらついた感触を舌で感じた直樹は、立ち直れない程落ち込んでしまった。
その時、直樹は頭に電気ショックを感じて、意識を失った。
金属製ボックスの中で横たわっていた直樹に、意識が戻った。朝の起床を告げるサイレンが聞こえ、頭の金属製キャップと陰茎の樹脂製パイプが金属製ボックス内前後に引っ込み、手首と足首に嵌っていた金属製の枷が外れて、同じ様に箱内下に引っ込んだ。直樹は自分の股間を見て、昨日と同じく射精していたのを確認した。
うんざりとした顔の直樹は、強化アクリル板の蓋を押して開け、体を起こして金属製ボックスから出た。直樹は、床に嵌め込まれているステンレス製和式便器にしゃがみ、排尿と排便をしながら、ふと気づいた。
(今回のバーチャル空間で、老婆・中年女性・女子小学生が登場して僕を虐めたのは、僕が全ての年代の女性に絶対服従するマゾ奴隷に仕込むためだったんだ…)
排泄を済ませた直樹は、開いた鉄格子の扉から廊下に出て、憂鬱な顔で直立し朝の目視点検を待った。
昨日と同じように、目視点検・朝食・洗顔・歯磨きを終えたマゾ男達だったが、今日は勝手が違った。女性看守長が、
「全員、注目!本日は午後から、大泉総理大臣がこのマゾ強制収容所へ視察に来られる。よって、本日午前中の作業は全員、マゾ強制収容所施設の清掃作業を行う。各列のマゾ男達は、それぞれの看守の指示に従って、手分けして清掃作業を実施せよ!」
と号令を掛け、各列のマゾ男達は女性看守達について行って、それぞれの場所で清掃を始めた。直樹は担当女性看守である真奈美の監視下で、長い渡り廊下の雑巾がけをさせられた。
清掃作業を開始して1時間半位経過すると、マゾ強制収容所内がざわついた。渡り廊下を小走りで来た女性看守が、真奈美に何やら耳打ちした。その女性看守が小走りで立ち去ると、真奈美は四つん這いで雑巾がけしている直樹を見下ろし、
「予定が急に変わって、大泉総理が今から視察に来られるそうよ。大泉総理の要望で、普段通りのマゾ強制収容所が見たいということらしいから、大泉総理がここに来られても、そのまま清掃作業を続けなさい」
と指示した。
しばらくして、女性看守長と堂島所長に案内され、女性初の総理大臣である大泉怜美が女性秘書官を連れて、渡り廊下を歩いて来た。怜美は今年62歳であるが、まだ30代終わりに見える美しい顔立ちで、いわゆる美魔女と呼ばれる部類の美人だった。栗色の髪をアップでまとめている怜美は、身長167cmでスマートな体型をしており、濃いえんじ色のスーツがよく似合っていた。
真奈美から清掃作業を続けるよう指示されていた直樹は、そのまま渡り廊下の雑巾がけを続けていたが、怜美が彼に近づくにつれて、
(こいつが、マゾ男人権剥奪法を作った初の女性総理か…このババアさえいなければ、僕はこんな悲惨な目に遭わなかったものを…)
と内心恨みを募らせた。そして、怜美が直樹の傍を通り過ぎる際に、つい上目遣いに彼女を睨んでしまった。怜美はふと顔を下の方に向け、一瞬直樹と視線が合った。直樹は慌てて視線を逸らし雑巾がけに専念したが、怜美はピタリと足を止めた。
「大泉総理、どうかなさいました?」
案内していたマゾ強制収容所所長の堂島京子が訊ねると、怜美は雑巾がけしている直樹を指差し、
「たった今、このマゾ男が、私を恨みがましい目で睨んだわ」
と答えた。堂島所長と担当女性看守の真奈美は、サッと顔色を変えた。青い顔になって雑巾がけの手を止めた直樹を、真奈美はすかさず黒革ニーハイブーツで強く蹴り飛ばして、彼を廊下に転がし、
「この馬鹿マゾ男!最低の変態マゾ男の分際で大泉総理を睨むなんて、ふざけるのも大概におし!」
と怒鳴って、腰に携えていた一本鞭を振り上げた。しかし、怜美が真奈美にサッと手を伸ばし、
「ちょっと待って!」
と大声を出して、鞭打ちを止めさせた。真奈美は少し怪訝な表情を浮かべ、振り上げた一本鞭を下した。
怜美は堂島所長に、
「このマゾ強制収容所には、マゾ男の調教や女性看守の訓練に使う体育館があるわよね…久しぶりに、ひと汗かきたくなったから、このマゾ男を体育館に連れて行って頂戴」
と言った。堂島所長は、怜美が体育館に行って、自らの手で直樹を鞭打つつもりだろうと推測し、
「承知しました…小西看守、こいつを直ちに体育館へ連行して!」
と真奈美に指示した。真奈美は恐怖で震えている直樹を立たせると、直ぐに後ろ手錠を掛け、ポケットから取り出した革紐を手際よく彼の陰茎と陰嚢の根元に括り付けた。真奈美は革紐の端を握って力強く引っ張り、
「マゾ男、さっさとおいで!」
と直樹に命じて、体育館に向かってさっさと歩き出した。陰茎と陰嚢が引きちぎられそうな強い痛みを感じた直樹は、
「ああっ、待って、待って下さい、真奈美様…」
と惨めに哀願しながら、腰を前に突き出した恥ずかしい格好で、よたよたと真奈美の後をついて行った。その様子を見た怜美は、
「マゾ男連行の仕方は、素晴らしいわね…変態のマゾ男には、本当に相応しいわ」
と堂島所長に行って、引っ張られている直樹の後をついて歩いた。怜美に少し褒められた堂島所長は、内心ホッとして彼女について行った。その後を、女性秘書官と女性看守長が続いた。
小学生時代に高級保養所“桃源郷”で政財界の大物マゾ男達相手に“奉仕作業”と称された色々なSMプレイをさせられ、中学生から義父の大泉進三郎を相手にSMプレイをずっと続けてきた怜美は、マゾ男の目つきやしぐさから、何を考えているか、何を欲しているのかを鋭敏に察知する能力を身につけていた。それで、直樹と目が合った瞬間に、彼が自分に反感を持っていることに直ぐ気が付いたのだった。
怜美ら一行が体育館内に入ると、堂島所長が指示して、館内の清掃作業をしているマゾ男達や監視している女性看守達を壁沿いに移動させた。一行が体育館床の中央に行くと、怜美は真奈美に直樹の拘束を解くように言った。真奈美が直樹の後ろ手錠と陰部に括り付けた革紐を解くと、黒色パンプスを脱いだ怜美は、濃いえんじ色のスーツを脱ぎ始めた。
一本鞭を振るためにスーツの上着を脱ぐのだろうと思った堂島所長だったが、怜美はスラックスも白色ブラウスもパンストも次々に脱いで、黒色ブラジャーと黒色パンティだけのセクシーな下着姿になった。驚いた堂島所長が目を丸くして、
「あの、大泉総理…一体、何をなさるおつもりですか?」
と怜美に訊ねると、彼女は体をほぐしてウオーミングアップしながら、
「あら、さっき言ったでしょう…久しぶりにひと汗かきたいって」
と笑顔で答えた。真奈美と女性看守長と女性秘書官も、怜美が何をするつもりなのか、全く見当がつかなかった。ただ、下着姿になった怜美の体は、今年62歳の女性とは信じられない程引き締まっており、豊かなバストにくびれたウェスト、それに大きく張ったヒップと、グラビアアイドルみたいなナイスバディで、お付きの女性達に感嘆のため息をつかせた。
ウォームアップを済ませた下着姿の怜美は、首輪を着けただけの全裸で呆然と立っている直樹と約2mの間合いを取り、
「マゾ男、お前にこのマゾ強制収容所を脱出するチャンスを与えるわ…今から私と素手で勝負して、私を叩きのめしてダウンさせたら、総理大臣権限でお前をマゾ強制収容所から釈放させて、自由の身にさせてあげるわよ。だから、遠慮せずに掛かってらっしゃい」
と言って、空手の構えを取った。
真奈美と女性看守長は唖然とし、堂島所長と女性秘書官は顔色を変えた。さすがに女性秘書官が、
「大泉総理、いくら何でも…そんな勝手なことをしたら、後で問題になります!」
と怜美に意見した。しかし怜美は、
「いいから、任せておいて…後の責任は、全て私が取るから」
と女性秘書官に答え、直樹に対して、
「マゾ男、何をぼんやりしているの?さっさと掛かって来なさい。このチャンスを逃したら、もう二度とマゾ強制収容所から脱出できないわよ。遠慮せずに、全力で掛かっておいで!」
と言って、彼を挑発するように左手人差し指を上にクイックイッと曲げた。
いくら若作りでも、怜美は還暦を過ぎた62歳の高齢女性で、直樹は22歳になったばかりの若い男だ。それに、167cmと女性にしては結構上背がある怜美でも、178cmの直樹とは10cm以上の身長差がある。
直樹は何かの罠かと勘繰って躊躇したが、今の自分には失う物が何も無いことに気づき、怜美に向かって行くことにした。しかし、いくら何でも62歳の高齢女性を殴る訳にはいかないと考えた直樹は、
「うわぁーっ」
と大声を出して怜美に突進し、右の手の平を素早く突き出して、彼女の左肩を思い切り突き飛ばして倒そうとした。しかし、怜美は体をサッと横に移動させ、直樹のいわゆる掌底突きをかわして、カウンターのつま先蹴りを彼のみぞおちに決めた。
「ゲボォッ」
みぞおちを強く蹴られた直樹は、カエルが踏み潰されたような呻き声を出し、その場で体を丸めて苦しんだ。見物していたお付きの女性達は、感嘆の声を漏らした。元総合格闘技選手だった女性看守長は、怜美の鋭い蹴りを目の当たりにして、彼女が並々ならぬ技量の持ち主であるのが一目で分かった。
床で体を丸めて苦しんでいる直樹の頭を、怜美は素足で軽く蹴りつけ、
「マゾ男、どうしたのよ?私がお婆さんだからって、手加減しなくていいのよ…さっさと立ちなさい!」
と言って挑発した。怜美に頭を足蹴にされた直樹は、何とかよろよろと立ち上がると、素人ながらボクシングの構えを取った。用心した直樹は、むやみに突進せず慎重に怜美に近づき、自分の腕が届く距離になると、ジャブとストレートのワンツーパンチを彼女の顔に向けて放った。しかし、スッと身を屈めてパンチをよけた怜美は、素早く一歩前に出て、直樹のみぞおちに鋭い正拳突きを決めた。
「グボッ」
再度みぞおちに強いダメージを受けた直樹は、呻き声を上げて、またもその場で体を丸めて苦しんだ。見物していたお付きの女性達から、拍手が湧いた。怜美は、床で体を丸めている直樹の頭を素足で踏みにじり、
「どうしたの?いい加減に本気を出しなさいよ。若い男がこんなお婆さんに負けて、恥ずかしくないの?」
とからかうように言った。怜美が頭から素足を外すと、男のプライドを傷つけられて怒り心頭となった直樹は、顔を真っ赤にしてよろよろと立ち上がった。逆上した直樹は、
「うわぁーっ」
と大声を出して突進し、右の大振りパンチを怜美の顔に放った。しかし、怜美は少し体を後ろに倒してパンチを避け、直樹の右脇腹にカウンターの足刀を蹴り込んだ。
「ゲブゥッ」
呻き声を上げた直樹が、深くお辞儀するように体を曲げると、怜美は彼の頬にきれいな回し蹴りを入れ、悲鳴を上げる余裕も与えず床に倒した。怜美は床に倒れた直樹の頭を足蹴にし、
「マゾ男、ダウンするのは早過ぎるわよ。若い男のくせに、こんなお婆さんに負けて口惜しくないのかい?早く立ちなさい!」
と嘲るような口調で、立ち上がるよう促した。脳震盪を起こしている直樹は、もう何も考えられずに、気力でふらふらと立ち上がった。すると怜美は、
「よく立てたわね、偉いわよ…マゾ男、そろそろ楽にしてあげるわ」
と楽しそうに言って、立っているのがやっとの直樹に、ローキックから顎に正拳突き、両肩を掴んで引き下げながら膝蹴りでみぞおちを突き上げ、体を半回転させて首筋に肘打ちと、空手のコンビネーション攻撃を加えて、とどめに体重が乗った後ろ回し蹴りを横顔に喰らわせた。直樹は、呻き声さえ上げられずに床に倒れ、そのまま気を失った。直樹がノックダウンすると、お付きの女性達と壁沿いの女性看守達から、一斉に割れんばかりの拍手が湧いた。
堂島所長はお世辞抜きで、
「大泉総理、お見事です!総理が空手の達人だとは、思いもよりませんでした。本当に素晴らしいですわ。マゾ強制収容所の武術教官になって戴き、女性看守達に指導をお願いしたい位ですよ」
と言って、怜美を絶賛した。元総合格闘技選手だった女性看守長は、武術教官も兼ねている腕自慢だが、彼女ですら怜美と勝負したら100%勝てる自信は無いと、内心思っていた。怜美は照れくさそうに手を振って、
「褒めてくれるのは嬉しいけど、私のレベルじゃ全然大したことは無いわよ」
と笑顔で謙遜した。
怜美は小学生時代、高級保養所“桃源郷”で色々な武術の基礎を教え込まれ、中学生になると両親の仇である中原理事長と雅子夫人を素手でも殺せるようにと、実践空手道場に通って熱心に稽古を続け、高校卒業時には師範代代理を任される程の腕前になっていた。空手は怜美の性に合っていたようで、今でも護身と美容のために、殆ど毎日のように空手の自己鍛錬を続けていたので、運動が苦手で武道や格闘技の心得が全く無い直樹が、いくら22歳の若い男でも勝てる訳が無かった。
床で伸びている直樹に近づいた怜美は、彼の上半身を起こすと、背骨に膝を擦るように強く押し当て、柔道の活を入れた。呻き声を漏らして気が付いた直樹に、
「マゾ男、いつまでも寝てないで、さっさと起きなさい!」
と怜美は命じた。怜美が離れると、直樹は脳震盪で痛む頭に手をやり、よろよろと床に胡坐をかいて座った。気絶から覚めた直樹は、男の自分が女性で高齢の怜美に負けて叩きのめされたのを改めて実感し、口惜しさと恥ずかしさですすり泣いた。いくら直樹がマゾヒストでも、女性と本気で勝負して負けたのは、男のプライドが徹底的に粉砕され、胸がズタズタに切り裂かれる程の恥辱だった。
怜美は、床に座り込み、うなだれてすすり泣いている直樹に、
「マゾ男、メソメソ泣いてないで、こっちに来なさい!」
と厳しい口調で命じ、体育館出入り口寄りに移動した。直樹はふらつくように立ち上がり、怜美の後を追った。お付きの女性達も、怜美について行った。
怜美は、一本鞭を丸めて腰に携えている真奈美に、
「その鞭を貸してもらえるかしら?」
と声を掛けた。真奈美は、
「は、はい、どうぞ…大泉総理」
と慌てて返事をし、急いで腰から一本鞭を外して怜美に差し出した。一本鞭を受け取った怜美は、ふらつきながら立っている直樹から5m位離れた位置に立った。体育館出入り口を背にしている怜美は直樹に、
「マゾ男、お前にもう一度だけ、このマゾ強制収容所から脱出するチャンスをあげるわ…私をすり抜けるなり突き飛ばすなりして、後ろの出入り口から外に出られたら、総理大臣権限でお前を自由の身にしてあげるわよ」
と告げた。堂島所長と女性秘書官は顔を見合わせ、女性看守長と真奈美は唖然とした顔をした。しかし、先程怜美の腕前を見せられた女性秘書官は、もう何も言わなかった。
まだ脳震盪の痛みが頭に残って、怜美から殴る蹴るされた打撲傷で体が軋み、脚を上手く動かせない直樹であったが、地獄のマゾ強制収容所から脱出して、マゾ奴隷として女性に下げ渡されずに自由の身になれるのなら、賭ける価値はあった。
怜美は一本鞭を振り、空中でバシンッと大きな鞭音を響かせて、

「さあ、ぼうっとしてないで、さっさとしなさい、負け犬のマゾ男!」
ふらついて立っていた直樹だったが、怜美から“負け犬”と言われ、改めて彼女に負けた口惜しさと恥ずかしさが湧き上がり、怒りで体に力が入った。直樹は、1発か2発は一本鞭で打たれるのを覚悟し、
「ウワアァーッ」
と雄叫びを上げて、怜美の横を走り抜けようとした。しかし、怜美が一本鞭を一閃して、直樹の胸から腹に掛けて強く打ち据えると、真っ赤に焼けたワイヤーロープを叩きつけられた様な激痛と衝撃を受けて、
「ギャアァーッ」
と絶叫を上げ、その激痛で体が硬直して足が止まってしまった。動きが止まった直樹を、怜美が更に一本鞭で打つと、悲鳴を上げた彼は両手で頭を抱えて床に転がった。怜美は、床に倒れた直樹を一本鞭で打って更に悲鳴を上げさせ、
「どうしたの、マゾ男?もう、終わりなの?早く立って、出入り口から出なさいよ」
と嘲るように言った。直樹は床を転がって怜美から距離を取り、よろよろと立ち上がった。直樹は、
(横を抜けようとするから、鞭打たれるんだ…大泉総理を突き飛ばして、正面突破した方がいい…)
と判断し、両手で頭を抱え、
「ウオォーッ」
と再び雄叫びを上げて、怜美に突っ込んで行った。しかし、怜美の振った一本鞭が、直樹の両脚に絡み付くように打ち、激痛で足が止まると同時に、前のめりに倒れてしまった。怜美は腕を一振りし、直樹の両脚に絡み付いた一本鞭を外すと、そのままうつ伏せに倒れている彼の背中を打った。
「ギャアッ」
悲鳴を上げた直樹は、激痛で背を仰け反らせ、そこをまた怜美に鞭打たれた。直樹は悲鳴を上げ、一本鞭の激痛で体を硬直させて苦しんだ。怜美は、直樹の傍の床を一本鞭で叩き、鞭音を響かせて、
「マゾ男、立ち上がらないと、どんどん鞭打たれるだけよ!」
と楽しそうに言った。直樹は何とか立ち上がろうと、両手を床に着けて体を起こそうとしたが、怜美の一本鞭が右手首に絡み付いて引かれ、上半身が床に倒れた。腕を一振りして直樹の右手首に絡み付いた一本鞭を外すと、またも彼の背中を打った。悲鳴を上げた直樹は、一本鞭の激痛で体が硬直したが、それでも両手を着いて体を起こそうとした。すると、今度は左手首に一本鞭が絡み付き、怜美にグイッと引かれて、また上半身が床に倒れ、左手首から外された一本鞭で背中を打たれた。
いいように嬲り者にされている直樹は、立つのを諦めて、再び床をゴロゴロ転がって怜美から距離を取った。硬直して軋む体を無理に動かし、何とか立ち上がった直樹は、
(一本鞭で体を打たれると、激痛で筋肉が硬直して動けなくなってしまう…両手を振り回し、痛いの我慢して腕に一本鞭を絡み付かせれば、何とか突破口が開けるかもしれない…)
と考え、
「ワアァーッ」
と大声を出して、子供のグルグルパンチみたいに両手を振り回して、怜美の傍をすり抜けようと突進した。鞭打たれるのを覚悟していた直樹だったが、意外にも怜美は体を横にサッと避けて、彼を素通りさせた。えっ!?と思った直樹だったが、そのまま体育館出入り口に向かって走った。しかし、怜美は一本鞭を一閃し、出入り口直前まで来た直樹の首に一本鞭を巻き付けて後ろに引っ張り、彼を仰向けに引き倒した。怜美は腕を振って、直樹の首から一本鞭を外し、仰向けに倒れている彼の体へ立て続けに一本鞭を振り下ろした。
「ギャアッ、ギャアァーッ、ギョエェーッ」
一本鞭の激痛に絶叫を上げ続けた直樹は、両手で頭を抱え、横に転がって怜美から逃げようとした。しかし、怜美は楽しそうに転がる直樹に一本鞭を振り続けた。怜美が一本鞭を振るうのを一旦止めると、直樹は出入り口から遠ざかった所で横たわり、息も絶え絶えになっていた。
怜美は床に横たわっている直樹に、
「マゾ男、後もう少しで出入り口から外へ出られたのに、残念ね…本当にお気の毒だわ」
とからかうように言い放ち、彼の目に悔し涙を浮かべさせた。怜美は、横たわっている直樹の傍の床を叩き、派手な鞭音を彼に聞かせて、
「ところでマゾ男、いつまでも横着に寝ているんじゃないわよ!とっととお立ち!立たなかったら、このまま一本鞭で打ち殺してやるわよ!」
と怒鳴りつけた。怜美に脅された直樹は、僅かに残った体力を振り絞り、殆ど気力でよろよろと立ち上がった。怜美は直樹に、
「よく立てたわね。偉いわよ、マゾ男…じゃあ、そろそろ楽にしてあげるわね!」
と言って、一本鞭を八の字に振り続け、彼の腕・脇腹・太腿等を滅多打ちにした。哀れな悲鳴を上げた直樹が、頭を抱えて体を前に折ると、彼の背中を打って仰け反らせた。怜美からの一本鞭の嵐は、直樹に全身の生皮と生肉を剥ぎ取られる様な激痛を与え、彼に地獄の苦しみを味わせた。
62歳でありながら、グラビアアイドルみたいなナイスバディに、黒色ブラジャーと黒色パンティだけを着けた下着姿のセクシーな怜美が、豊かな胸を揺らしながら、優雅な鞭捌きで直樹を苦しめている姿は、正に“鞭の女王”と呼ぶのが相応しかった。“鞭の女王”に生贄として差し出された直樹は、鞭と言う名の糸で好きなように動かされている、哀れな操り人形みたいだった。怜美の鞭捌きを見ているお付きの女性達と壁沿いの女性看守達は、感嘆のあまり言葉を失っていた。壁沿いで見ているマゾ男達は、ただ恐怖で震え上がっていた。
怜美は急に一本鞭を振るう方向を変え、下から掬い上げるように振り、直樹の股間を強かに打った。
「ギョエェーッ」
急所である陰茎と陰嚢、それに神経が集中している肛門を一本鞭で同時に打たれた直樹は、絶叫を上げて両手で股間を押さえ、背を仰け反らせた。怜美は、
「とどめよ!」
と言って、仰け反った直樹の横顔を、一本鞭で強打した。直樹の視界が一瞬真っ赤に染まり、それが暗黒に変わって、彼は失神してその場に倒れた。直樹が床にドウッと倒れると、言葉を失っていたお付きの女性達と女性看守達から、一斉に歓声と拍手が湧いた。
堂島所長は怜美に駆け寄り、
「お見事です、大泉総理!総理の空手の腕前には驚きましたが、鞭捌きも超一流なんですね…本当に、恐れ入りました。是非とも、看守達に鞭捌きの指導をお願いしたい位ですよ」
と絶賛した。怜美は恥ずかしそうに手を振り、
「いえいえ、私みたいな年寄りは、ここの若い看守達には敵いませんよ」
と謙遜し、真奈美に、
「ありがとう、お返しするわね」
と言って、一本鞭を手渡した。怜美から一本鞭を受け取った真奈美は、実は女性看守の中で自分が鞭の扱いは一番上手いと自負していたのだが、今は怜美の足元にも及ばないと、天狗の鼻をへし折られた気分になっていた。
小学生時代の怜美は、高級保養所“桃源郷”の“奉仕作業”で政財界の大物マゾ男達に散々鞭を振るい、中学生になってからは義父の大泉進三郎にずっと鞭を振ってきたのだ。元々鞭を振るうのが大好きな怜美は、アメリカ発祥の“スポーツウイップ”に嵌り、空手の自己鍛錬の後は、必ず“スポーツウイップ”のエクササイズで一本鞭を振るっていた。そのために直樹が怜美の鞭から逃れられなかったのは、当然のことだった。
堂島所長は、体育館の床に脱ぎ捨てていた服を拾い上げて着ている怜美に、
「大泉総理は、全ての女性の憧れの的ですわ…凄くお綺麗で、私なんかより遥かにお若く見えて、女の私でも見惚れる位のお見事なプロポーションで、空手も強く鞭捌きも超一流で、政権のトップに君臨なさっているし…大泉総理は本物のパーフェクトレディですから、欠けているものは何一つ無いでしょう?本当に羨ましい限りですよ」
とお世辞抜きで褒め称えた。しかし、怜美は苦笑いして、
「でも、堂島所長には、ご主人と子供さんがいるんでしょう?私はずっと独身だし、私の方こそ堂島所長が羨ましいわ」
と答え、堂島所長に微妙な顔をさせた。
幼少の頃から壮絶な人生を送り、小学4年生の時から政財界の色々な大物達や有力政治家の義父を相手に様々なSMプレイを続けてきた怜美には、一般的な普通の男性観が持てず、結婚どころか恋愛すら不可能だった。自分は結婚出来ずに家庭は持てないと自覚していた怜美は、金や地位や権力よりも、優しい夫と可愛い子供がいるごく普通の温かい家庭を切望していたのだ。
濃いえんじ色のスーツを着込み、黒色パンプスを履いた怜美は、
「まあ、久しぶりにいいストレス解消になったわ…視察の時間が押しているわね。少し急ぎましょう」
と秘書官と堂島所長、それと女性看守長に言って、3人を引き連れ体育館を出て行った。
体育館に残された真奈美は、体中を赤い条痕で縦横無尽に覆われ、失神して床に横たわっている直樹を見下ろし、ため息をついた。
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